2018/02/15
アジ(鯵)は南の海から回遊して日本に来るものと、日本の沿岸に居ついているものとがいます。
最近は日本近海での漁獲量が減り、世界各国からの輸入物が増えています。
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Contents
アジ(鯵)の生態や産卵について
マアジには沖合を回遊するものと、沿岸の藻場や岩場に居ついているものとがいます。
回遊するものは、春暖かくなるにつれ九州から太平洋側と日本海側に分かれて北上します。
回遊するマアジは背が黒くクロアジと呼ばれます。
沿岸に居ついているマアジは地つきアジと呼ばれ、背が青緑っぽく、腹は薄黄色です。
とくに腹が黄金色のものは金アジと呼ばれ珍重されます。
産卵は早春から初夏まで長期にわたります。
沿岸の藻場で産卵し、稚魚は藻場や岩場で成長します。
アジの仲間や種類
アジ科の魚は約140種類あり、日本近海には約20種類が生息しています。
ブリ、ヒラマサ、カンパチなどもアジ科の魚ですが、これらはアジとは呼ばれません。
アジと呼ばれるのは
マアジ
シマアジ
ムロアジ
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が代表的な魚です。
マアジは大きさにより、豆アジ、小アジ、中アジ、大アジと呼ばれます。
シマアジは高級魚で、天然物は養殖の5倍の価格が付きます。
ムロアジには「クサヤムロ」、「アカムロ」などの同種がいます。
マアジに比べて、細身で、尾びれの前に上下一対の離れびれがあるのが特徴です。
マアジ〔真鰺〕
別名:ホンアジ、ヒラアジ
分類:アジ科
体の側面全体にゼイゴと呼ばれる固いトゲのあるうろこが付いている。
大きなものは40センチ。
北海道以南の日本各地から東シナ海まで広く分布する。
シマアジ〔縞鰺〕
別名:カツオアジ、オオカミ
分類:アジ科
マアジより体の幅があり、側面に黄色の縞がある。
大きなものは1メートル。
東北南部以南の温かい海に分布する。
伊豆諸島や西日本に多く生息する。
ムロアジ〔室鰺〕
別名:モロアジ、マルアジ
分類:アジ科
マアジより体が丸く、円筒形に近い。
ゼイゴは尾の方にだけある。
大きなものは40センチ。
本州中南部以南から、東シナ海に分布する。
関アジ〔関鰺〕
九州の大分県佐賀関では、豊後水道の流れの速い瀬に生息しているマアジが取れる。
これを「関アジ」という。
栄養が豊富で流れの速いところで育つので、特別に美味しいアジとなる。
アジをとる漁や釣り方
回遊する沖合のアジは、きんちゃく網漁や巻き網漁でとるのが普通ですが、岩礁地帯や深場の場合は、一本釣りも行われます。
特に、豊後水道の関アジは一本釣りして活き締めにします。
近年、日本近海のアジ量は漁獲量が減って、韓国、台湾、ノルウェー、アイルランド、オランダ、ニュージーランドなどから輸入しています。
マアジは養殖もされています。
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アジの旬や食べごろ
マアジの一番おいしい季節は初夏です。
ただし、回遊するアジは3月頃九州、4月頃山陰や駿河、5月頃房総と、南から北へ水揚げする港が移動するので、土地によって旬が変わります。
地つきアジは5月~7月が旬です。
ムロアジは夏から秋が旬。
ニュージーランドやオーストラリアから空輸されたマアジは鮮魚として売られます。
オーストラリアなどの南半球では夏であり北半球の日本では冬が旬となります。
日本国内のアジの産地
マアジは日本各地でとれますが、大量にとれるのは九州です。
近海での漁獲量が減り、東シナ海でとれたアジが長崎や福岡の港に水揚げされ、大阪や東京に送られます。
近海でとれたものは、地モノとして珍重されます。
関東では、駿河湾でとれた湘南モノ、房総沖でとれた房州モノが珍重されます。小田原のアジの干物は有名です。
スーパーなどで買うときの新鮮なアジの目利きの仕方
目が透き通っていて、張りがあり、えらは鮮やかな紅色で透明感があるものが良いとされています。
背中が太っているものが旨い、やせてスマートなものはまずい、とも。
地つきのマアジと回遊するマアジとでは、地つきアジのほうが、格段に美味です。
地つきマアジか回遊マアジかは、魚体の色で見分けます。
背の部分が青緑がかって、腹側が白く黄金色に輝いているものが地つきのマアジ
背の部分が黒っぽく、腹や単に白いだけで黄色がかっていないのが回遊マアジです。
マアジに限らず、アジ科の魚は新鮮さが命。
アジの美味しい食べ方や調理方法
小さなアジは、唐揚げにすれば、頭も骨ごと食べられます。
体側の中央のトゲのあるうろこを取り除いてから料理してください。
アジは白身でクセがなく、淡白ですが、うまみ成分のイノシン酸はタイやヒラメより多く、生で良し、揚げても煮ても焼いてもおいしいです。
万人好みの魚です。
日本国内のアジを使った郷土料理
日本国内にはアジを使った郷土料理があります。
アジずし(徳島県)
もとは魚を発酵させたのがすし。
忙しい日常の中で手っ取り早く「すし」らしいものが食べたい、と考案されたもの。
アジの南蛮漬け(長崎県)
南蛮というのは、室町時代末期以降に南方をさして呼んだ言葉。
フィリピンやタイ(シャム)、ポルトガル、スペインなどから来たもの。
現在、南蛮焼きや、南蛮煮というのは、ねぎを使った料理です。
さんが(千葉県)
アジやイワシを細かくたたき、みそやねぎを加えて、さらにたたき混ぜたものを「なめろう」と言います。
皿をなめてしまいたくなるほどおいしいので、この名前が付きました。
これをご飯にのせ、熱いお茶を注いだものは、一見ねずみ色のどろどろした汁ですが、味は絶品。
これを青じそで包んだり、貝殻に塗り付けて焼いたのが「さんが」です。
参考文献
『旬のさかなの本』 ベネッセコーポレーション ベネッセ
『春の魚 魚のおいしい話』粟屋充 大和出版
『決定版 旬たっぷりの簡単ごはん』 主婦の友社
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galu
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